歴代モデルを通してジムニーはATとMTどちらが良いのか、というのはとても悩ましい選択です。この記事ではそれぞれの特徴やメリット、デメリット、そして自分に合った選択ができるようにご紹介します。
新型ジムニーAT車の特徴
新型ジムニーに搭載されるATはスタンダードなI型のストレートゲート式で操作はいたってシンプルです。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
メーター内のインフォメーションディスプレイでどのドライブレンジに入っているかは常に確認することができます。
とはいっても基本は前進のドライブ、後退時のリバース、停車時のパーキングギヤしか使用しないでしょう。
ミッションが現在多く採用されていますCVTではなく通常の4速オートマということもあって比較的先代のジムニーとも大きく変わるものではありません。
そのぶんスズキの他のターボモデルと違ってパドルシフトが装備されないためエンジンブレーキなども必要であればシフトで操作しなければなりません。
個人的にはCVTを搭載して燃費を両立しつつ走りも両立させるといったことを期待したのですが、20年ぶりのフルモデルチェンジでこの面の大きな改善がなかったことは一番残念なところです。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/interior/
もし現在お乗りのクルマでパドルシフトなどを活用されているような方であればそこが多少気になるかもしれませんが、そうでなければ基本的にはただアクセル操作だけですむので誰でもこの本格派オフロードモデルを気楽に乗りこなすことができます。
特に女性にとって操作が簡単なのはうれしいことですし免許がAT限定の方も最近はかなり多いので、ジムニーにどうしても乗りたいけどAT車じゃないと無理だしという方にとってはありがたいですね。
装備の面での大きな特徴は昨今よくみられるアクセルとブレーキの踏み間違いに対応してAT仕様のスズキセーフティーサポート装着車には誤発進抑制機能が標準装備されます。
停車や徐行中に突然アクセルを強く踏むと、最長5秒間エンジン出力を制御します。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/safety/
これによって踏み間違えによる急発進による衝突回避や事故を防ぎます。
MT車においてはクラッチスタートシステムによって踏み間違いが起きることがないのでその心配はありませんが、安全性という面でAT車は装備がより充実しています。
新型ジムニーMT車の特徴
ではMT車はどうでしょうか?
5速からなる変速機はシンプルで操作しやすいものです。
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適度なシフトストロークと縦置きエンジンからなるダイレクト感は他の軽自動車にはないものです。
とりわけ様々な走行シーンをイメージするこのクルマにとって、いつでも自分の思いのままに操れるドライブフィールを備えていることは運転をより一層楽しくさせます。
特にアウトドアをイメージするなら急傾斜などで加速に不満が出てしまいますとがっかりですが、自分で必要な調整ができることは満足度に反映されます。
加えてシフトレバーユニットの取り付けをフレーム側1点、トランスミッション側2点とすることによりシフトレバーの振動を低減させています。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
過去の長いマニュアルシフトレバーを操作するジムニーに乗っていた方からすると、その違いに驚かれるかもしれません。
以前ではこういったクルマに静粛性を求めるのはどうかと思ったりそういった残念な部分も含めて愛してくださいというのがこの手のクルマでしたが、静かで快適になったという点ではすばらしい進歩だと思います。
AT車とMT車の比較
価格面の違い
ではまずやはり気になる価格面での違いを比較してみたいと思います。
スズキジムニーはとてもシンプルでどのグレードも一律にマニュアルの方が97,200安くなります。
これはジムニーシエラにもいえることでその価格差に違いはありません。
最近ではオートマとマニュアルで価格差が生じないようなクルマもありますが、この価格差はまあ妥当な範囲であるといえます。
そういえる理由としてはオートマにだけ先に挙げました誤発進抑制機能が装備されているからです。
とはいえ購入時の差額としては決して小さな額ではないです。
元々軽自動車とコンパクトクラスとしては安くはない価格設定であるのに加えて、値引きなどしなくても十分売れる人気モデルであるためあまり大きなお買い得感を得るのはなかなか難しいです。
オートマとマニュアルの燃費
加えてオートマとマニュアルそれぞれの燃費を挙げてみますとWLTCモードのオートマ燃費が13.2㎞/Lに対してマニュアル燃費は16.2㎞/Lと3㎞/Lもの差が出てしまいます。
ジムニーシエラに関してはオートマが13.0㎞/Lに対してマニュアルは15.0㎞/Lと比較的差が小さくなっています。
これは総合的な燃費比較ですがもう少し分析しますとジムニーシエラはオートマ・マニュアル共に郊外燃費と高速燃費がほぼ同等ですが、スズキジムニーはマニュアルのみ高速走行になると郊外走行よりも燃費が落ちてしまうというデメリットもあります。
ではこうした費用面を考えますと実際にはどちらを購入することが正解なのでしょうか?
新型ジムニーはAT、MTどっちが買い?
スズキジムニーはやはりマニュアル!
今日のクルマ社会においてオートマ、マニュアルどちらを選ぶかというものはかなり慎重な選択肢をすべきものとなっています。
というのもマニュアルの比率が圧倒的に少なく、買い替え時などに大きな影響を及ぼすからです。
もし後々の乗り換えを考えておられるのであればリセールバリューなどもよく考える必要があるからです。
ただし、ジムニーに限っては極端な買い取り差はでないように思います。
これは個人的な意見ですが、もし3年や5年で乗り換えるくらいならもしかするとオートマのほうが買い取りがいいかもしれません。
比較的新しい中古車を買おうとするときに大抵の方がオートマを購入するであろうということからそう思います。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/
とはいえオートマが購入時と同じマニュアルと比較して10万円も高く買い取ってくれるか、といいますと疑問は残ります。
年数が経っても人気が衰えないのがスズキジムニーのメリットなので、10年乗るつもりであればどちらにしても安定した買い取り価格がつくはずです。
こうした要素を考慮した結論をいいますと、一番オススメなのはスズキジムニーのマニュアルです。
購入費用も安く燃費もジムニーシリーズでは最もよい数字を記録しています。
乗れば乗るほどそのランニングコストの差は開いていきますのでこの差は決して埋めることはできません。
そして長く乗っても壊れにくく、マニュアルゆえに敬遠されることもありません。
そういった意味でスズキジムニーはマニュアルをおすすめいたします。
ジムニーシエラはオートマで!
ジムニーシエラではといいますと、こちらは高速走行を多用される方や軽自動車ではちょっとという方が選ばれると思いますのでオートマをおすすめいたします。
https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/styling/
マニュアルとの燃費差があまりないことや、ジムニーシエラはスズキジムニーよりもオートマ人気がつくであろうという予想もこうした理由に含まれます。
スズキジムニーはセカンドカー及び趣味のクルマとしての指向が強いのに対して、ジムニーシエラはファーストカーとしての使用が求められる時に選ばれるものになると思いますので乗り続けるにしろ、何年か後に手放すにしろ安定した価格推移を保っていると考えられます。
まとめ
スズキジムニーにとって一番重要な決定事項ともいえますトランスミッションの選択。
後で変更がきかないものなので慎重に後悔のないようにじっくり検討してみてください。